7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

待ち時間の歌

物事は 起こるべくして 起こりくる さらばわれらは 活かしきるのみ 今週の細美さんのラジオに触発されて一首。遅延や頓挫、挫折にガッカリして自分の価値を否定する方向性に陥るのではなくて、「きっとこれにも何か意味があったんだろうな」と切り替える。何…

Negicco

youtu.be わたし月 あなた太陽 入れ違い 夜明け前僅か 交じり合う光 本日の一曲はNegiccoで愛は光。実家の畳の上で寝転んだようなノスタルジー。こころのささくれも優しく包んでくれそうな歌。作詞作曲はキリンジの掘込。言葉のチョイスに賢治の風味を感じる…

むしろ乗じる

厄や難 身から出た鯖 毒の沼 逆手にとって むしろ乗じる 諸難こぞりてこの身に迫れども、むしろ謹んで乗じさせていただき、起死回生の一手としよう。お馴染みの疲労感・倦怠感・劣等感の三兄弟も、ふしぶし・ところどころの痛みの軍勢も、法の華々の可憐さの…

月の宮

Under the Green Corn Moon - Native American Lullabies (full album) 淋しさに 任せ赴く 月の宮 兎の群れと 共に参らん わざわざロケットなんか飛ばさなくても、想像力さえあればすぐ月面に行けるのにね。不思議な国ではいつでも白兎が導き手。今夜のあな…

まほろば

夢の中 白濁とした 雲海に 浮かぶ宮殿(くでん)に 咲く愛の華 うたた寝で垣間見た幻影は、現実よりも真に迫っていてー。 本日の歌は いずれもポルトガル語で歌い上げられたブラジル音楽のマスターピース。 スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトで「イパネマ…

8月だけ開かれる神社

美しき 夏の瀬戸内 離れ島 浮かぶは父の 子を守る愛 年に2回、8月の4日と5日だけ橋を渡り参拝できる神社がある。瀬戸内海に浮かんでおり、いにしえより津嶋ノ宮と云う。子どもの守護神として知られている。ご祭神は和歌と短歌の守護神でもあるスサノヲ。巫女…

16bit センセーション ANOTHER LAYER

youtu.be youtu.be 好きなもの 憧れるもの 追いかけて 幾年重ね 今ここに戻る 平成初期の空気感がエモい作品。主人公コノハも何だかポケモンっぽい格好で懐かしい。opに中川翔子を起用するあたり、一定の世代(そして私もそこに含まれている)にがっつり狙い…

SAHAJi

youtu.be 有るがまま この身このまま それでいい そのまま延ばせ 空高く芽を SAHAJiという富山の兄弟バンドがUKで人気らしい。冒頭の曲は彼らのfuture in the sky。バンド名はサンスクリット語から。 サハジとはもしかしたら違うかもだけれども、 サハジャと…

ほんたうにひとりぼっちでいるために

ほんたうに ひとりぼっちで いるために わたしは誰かの 隣に座る 誰かの隣に座る。向かい合うのではなくて、隣に座る。同じ景色を眺めて共有する。日が暮れてお別れをして、それぞれの家に帰る。 帰り道はひとりぼっち。でも、さっき見た景色が残っている。…

火に始まりて、水に徹する

燃え盛る ほむらのごとく 信を獲り 渾渾と続く 流水のごと あるいは火のごとく信ずる人もあり。 あるいは水のごとく信ずる人もあり。 聴聞する時は燃立つばかりおもえども、とおざかりぬれば、すつる心あり。 水のごとくと申すは、いつもたいせず信ずるなり…

神様を見ようと

神様を 見ようと父と 待ちあわせ 二人で風に 吹かれてすごす 服部真里子『行け広野へと』より(本阿弥書店、2014) 掲出歌の「父」は、「神様を見ようと」・・・・主人公とぼんやり空を見上げている。こんな時間がいつまでもいつまでも続いていきそうなやさ…

杖の歌

わすれるな 悪意の背後に 必ずや 大きな大きな 善意のあること 悪意ある言動は、この人生で遭難することが定められている出来事であり、どうしても消化しないといけないもの。どうしようもないのだから、淡々と受け流すのが正解。個々の悪意の背後には、大い…

しきしまの神

八雲立つ 小高い丘の その上に 歌詠み鎮まる 愛媛と共に 豪快にして繊細。まさにメロコアのごとき尊格「スサノヲ」。しきしまの神(和歌・短歌の守護神)とも称えられる彼に関連したサイトの覚え書き。 ギター製作家の視点: 出口王仁三郎の気になる発言 水鉛 …

お守り飴

報われぬ 努力ばかりの 毎日に 飴を舐めれば 視界明るく 中高で友人から無視され、面と向かって悪口を言われるなどのいじめを受け、自己肯定感を失った。学校でも家でも心が休まらず「居場所がない」と感じる中、イチゴ味の棒キャンディーをなめている時は不…

かたつむりのごと

youtu.be わが師なる かたつむりのごと ゆっくりと 着実に進む 皐月後半 公園のベンチの上で慎ましく身を延ばし進むかたむつりのように、この月の後半戦も焦らず慌てず地に足のついた歩みで進みゆきたい。かたつむりと言えば世代的に「ジャム・ザ・ハウスネ…

かげきしょうじょ!!

銀の橋 目指して磨く 芸の道 いつかあなたの 隣に立つため 「スポ根×カワイイ」骨太の人間ドラマ。主人公の底なしの明るさに癒される。主人公だけでなく、メインキャラそれぞれにスポットをあてているのも気に入った。面白かった。近いうちに2周目にいくと思…

ミッドナイト ブルー

今週のお題「懐かしいもの」 youtu.be うらやましい? あなたが好きな この星で 私は眠る おやすみ暁人 『ミッドナイトブルー』、何度読み返しても最高。特に巻末に収録されている表題作は、言葉にならない静かな感動が余韻として残る。masterpieceかつunder…

ソロモンの指輪

せわしなく 飛び回るツバメ ふととまる 目が合い見つめる 恋人のごと 爽やかな 風に順い みぎひだり 揺れるさつきと おしゃべりしたい 天使や魔物を使役できたり、動植物とおしゃべりできたりする天国のマジックアイテム。それがソロモンの指輪。もし手に入…

一生不安

人は皆 一生ずっと 不安なまま 不安があるから 成長できる 先週の細美さんのラジオより。そうだよな。不安だからこそ、努力するし、工夫するし、エンパワメントに親近しようという気にもなる。何もかも約束されて満たされた人なんていないけど、もしそんな人…

普賢懺悔

あやまちを 犯しては已め 懺悔して 歩みは続く 死に臨むまで

法華寺

youtu.be 干上がった 心に恵みの 大水を 乾くことなく 泉のごとくに 「音の巡礼」シリーズの南河内は法華寺の庄司師の陀羅尼読誦は、もう擦り切れるほどによく聞き込んでいる。テンポが非常に気持ちいい。没入できる。とはいえ、暗唱はまだ、毘沙門天の陀羅…

胎教

願生の 菩薩は変幻 自在なり 女にもなり 男にもなり ブッダが霊鷲山で説法中に、大商主スダッタ(祇園精舎の施主。身寄りのない人々に食を提供したため、給孤独食長者と称えられた)の妻・浄日は懐妊しており、彼女の腹中の女児が一心に合掌してブッダの説法を…

生き通し

この娑婆も 滅後赴く 霊山も どこに行こうと 浄土の華咲く 浄土は死後にのみ訪れる場所ではない。いまここも浄土。衆生は本来佛であり、此岸も本来浄土である。枯れて見えるこの世界も、目をきちんと洗えば、花々が咲き誇る浄土とピントが合ってくる。私はそ…

終末トレイン

youtu.be お題「大人になってから好きになった漫画orアニメ」 どこ行こう? どこに行ったら 会えるかな? 4人で巡る 先見えぬ旅 先日のブログ記事で、今シーズンのアニメは豊作だと綴った。 underground.hatenadiary.jp 今シーズンの中でも、特に「終末トレ…

ハリネズミの日記

今週のお題「ラジオ」 本日の一曲はエルレガーデンでレッドホット。 program.bayfm.co.jp ラジオといえば、近頃は専ら、細美さんの「ヘッジホッグ・ダイアリーズ」をベイエフエムのネット放送で聴いている。自分の好きな音楽を紡いでいる人がリアタイで喋っ…

尽未来際

目はかすみ ものはつかめず ことば出ず されど信ずる 此処が浄土と 時々夢に登場する観妙庵より幻聲の一首。透き通った漆黒の空にいくつもの街燈が灯り、金曜夜の芸術祭に集った親子たちの声がこだまする。やがて訪れる静寂の中から年老いた常精進菩薩が現れ…

向き合わないように

向き合わない ように置かれた 腰掛けに 僕ら花びら みたいに座る 岡野大嗣 歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』より一首。 訳もなく寂しくなることがある。それはきっと、出会うはずだった誰かと出会えていないからなんだと思ってい…

補講

コンビニも あかりを落とす 夜の路 走りて過ぎた 恋の教室 過ぎ去った日々の名残の、最後のひとしずくのような夜。コンビニも照明を落とす田舎の夜道を走る。ほろ苦くも微かな甘みが楽しかった日々はもう来ない。これは弔いのドライブ。ばいばい。ありがとね…

ラーダーの蓮座

眼中に すらないことは わかってる それでも願うは ラーダーの蓮座 the ViewのClaudiaの歌詞そのまんまの気分。眼中にもないのに、その気もないのに、そんなにかわいい瞳で見つめられたら、堪らない。たとえば雷雨吹き荒れる嵐の夜でも、夕食もそこそこに外…

厄除け短歌

沼なれど 庭は庭なり 白蓮華 咲く庭なれば 手入れ怠らず