人が皆 私を離れ 去ってゆき 一人になって なお残るもの
濡れる石畳を進み昨夜の私が祈ったのは、諸天善神が弥増して元気になられることと、旺盛な御守護の下、出会うべき人に最高の形で邂逅することだった。
しかし、本当はこう祈ればよかったのだった。結ばれる諸々の御縁が出会う相手にとって喜ばしく頼もしいものでありますようにと。
よだかは外見の醜さのために嫌われていた。鷹からはお前の名前が自分に似ていて嫌だ、改名しなければ命を絶つと脅迫され、太陽にも星々にも相手にされない。そんな孤独の中でよだかの魂は独り飛翔し、遂に夜空の力強い一点の光明となったのだった。
よだかは居場所を与えられなかった。しかし、光を与える者となった。誰も周りにいなくなった時、自分を照らせるのはもはや自分しかいない。ならばいっそのこと初めから、誰かに照らされるのを待たず、自分がどうすれば照らせるかを考えれば良かったのだった。
購読している葬祭業を営む方のブログで紹介されていたクレヨンしんちゃんの「ひろしの回想」
冷たい日々が暖かい日々に変わり転じるのは、誰かが来てくれるからじゃない、自分が誰かのもとに赴くからだった。