7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

春の道場

 

 

 

これはこれ

惑う木立(こだち)の

中ならず
しのびをならう
春の道場

 

宮沢賢治マグノリアの木』より

 

 

 

 

 

 

 

「そうです。いかにも私の景色です。私なのです。だから仕方がないのです。」険しい日々をそう呟いてやり過ごす。純白に染まる満開のマグノリアの中を、私は、その美しさに気づかないまま通り過ぎてきた。御手の中にありながら、天の慈悲を乞い嘆く者のように。

 

美しい木漏れ日の中で、私はここが、自分が願った楽土であることをふと思い出す。