夜明けから 鳴くうぐいすの 昼前に なりて見事な ほーほけきょ
姿は見えないが、おそらく鎮守の森からだろうか。うぐいすがまだ薄暗い時間帯から鳴き続けている。鳴き初めは滑舌が悪くお世辞にも上手とは言えなかったが、昼に差し掛かっている今では実に綺麗に鳴けるようになった。うぐいすといえば思い出す人がいる。
今は亡き 老尼の曰く うぐいすの 鳴けるは法を 聞けとの勧め
本日の一曲はMONOEYESで3,2,1 Go。
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佐前・佐後とも称される聖地・佐渡ヶ島。訪れたことも縁もゆかりもないのだが、ここ数日、江戸期の天災により不条理な運命を強いられた水替無宿人や彼らを束の間慰めた妓女のことが何故だか想起される。彼らのことを知ったのは、去年の夏に読んだブログ記事だった。法華により代々手厚く供養されているらしい。
この身は、この国は、この世界は、もうとっくに終わってしまっている。歴史が始まって以来、一体どれほどの人間がそのような想念に捕らわれてきたことだろうか。私もその中の一人だった。しかし実際は、この世は聖主世尊所有の常寂光浄土である。願ってもなかなか生まれることが難しい人身を得ている。この時点でかなり恵まれた身の上だと認めざるを得ない。たとえ終わっている世界だとしても、私は水が滔々と流れ続けるように、淀みなく生きていきたい。