わが魂は あこがれいでてめぐりあいぬ
虚空にむすぶ たまゆらのとき
小泉悦子
上の一首は或る法華行者の師弟問答集より。賢治の「塵点の劫をし過ぎていましこの…」の歌に通ずる法華世界への強い憧憬を感じたので引用した。
引用元の師弟は、佛立講の流れを汲んでいるようだ。佛立講は長松清風(日扇上人)に始まる。彼は和歌をはじめ各種芸術に通じた文化人だったという。京都深草で済度を進めた日政上人も文化面に大変秀でており、松尾芭蕉や、井原西鶴、北村季吟、小林一茶、宝井其角、与謝蕪村といった江戸時代を代表する文化人たちと交流を持っていたらしい。
わが国において、法華信仰は芸術文化ととても関係が深い印象を受ける。
https://viewer-trial.bookwalker.jp/03/18/viewer.html?cid=426a3a57-134e-4d55-9dda-6b2c3908728b&cty=1