7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

2684

 

 

あし原の しけしき小屋(おや)に すがたたみ いやさや敷きて わが二人寝し

神武天皇

 

 

歌の意味: 葦のいっぱい生えた原の粗末な小屋で、菅(すげ)で編んだ敷物を清めて幾枚も敷いて、私たち二人は寝たことだったね。

この歌は、神武天皇が皇后・伊須気余理比売(いすけよりひめ)と、狭井川のほとりのひめの家で新婚の一夜を過したことを後日、正式に宮中に迎え入れたときに回想して歌にしたもの。大和の畝傍の白橿原の宮で天下を治められた。

42.あし原のしけしき小屋に・・ - 一般社団法人 桜井市観光協会公式ホームページ

 

 

2,684年の長きに渡って続くこの国の重厚な歴史の歩みも、山のほとりの粗末な小屋を経ていたのかと思うと、何とも言えず感慨深い。日本の原風景と感じる。葦原の宮はまだ詣でたことがないので、近いうちに是非参りたい。

 

 

神栄え 人栄えては 道もまた 大いに栄える 終わりなき世に

 

 

神は人の敬によって栄え、人は神の威によって栄える。この国では神と人とは常に一蓮托生であった。法華経の第十六番・寿量品では、神と人とが共に栄えてゆく様子を美しく描き上げている。「法華神道」という方向性が打ち出されるのも、むべなるかな。法華神道は興隆と衰退を幾度も繰り返し、形を変えながらも今日でも実践されている。

 

有名な「安土宗論」(信長が浄土・法華の対立を仲裁しようとして開いた)で敗れた日珖は、前半生の過激な折伏主義を改め、後半生では法華神道に注力していたらしい。

 

 

また特筆すべきは神道についての深い知識で、後年「神道同一鹹味(かんみ)抄」という「日本書紀」の内容を説いた著作を発表しています。 題名は、神道も仏教も海の中に入ってしまえば同じ鹹味(塩味)になる、という意味だそうです。 これは法華神道三大部の一つにも数えられる金字塔といいます。

 

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失意の中で咲く花もあるとか。

 

神栄え、人栄え、以って道も栄える。