諸々の
見目麗しき
羅刹女を
率いて世間
引き導かん
毘沙門天は梵語でクヴェーラと云い、樹神である夜叉族から出た。羅刹女や薬叉たちにかしずかれている。『バガヴァッドギーター』10章でも羅刹と夜叉の主であると説かれている。
ランカー島(スリランカ)を拠点に活動を展開していた。『ラーマーヤナ』のメインストーリーである「シーター姫奪還」でヴィランを演じたラーヴァナとは異母兄弟にあたる。ラーヴァナとの対立でランカー島を追われ、カイラス山に退いた。
毘沙門天は「陰の実力者になりたくて!」の主人公のように、美女を引き連れて暗躍し財宝をたくさん持っているイメージ。
多聞天とも呼ばれ、北方の守護者(ローカパーラ)。シヴァ神へ帰依と長い歳月をかけて修行を献げたことにより、財宝を司る権威を授与された。
シヴァ神は、泥棒や邪鬼といった社会が悪と見なすような存在にも祝福を与える慈悲深い神です。 そんなシヴァ神が住まう北のカイラーサ山に落ち着いたクベーラ神は、シヴァ神への苦行を熱心に行うようになりました。 その苦行にシヴァ神は喜び、財宝の神としての地位と、自分自身が住まう北方を守る重要な役割を与えます。 それはすべて、クベーラ神の苦行による賜物でした。 善の質と悪の質は、光と闇に例えられ、誰しもの内に存在しています。 鬼神であったクベーラ神は、苦行により、財宝の神として広く崇められるようになりました。 どんな存在も、神々へ心を定めることにより、悪の質である闇が払われ、善の質である光に満たされていくということを伝えているようです。