7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

羅刹女についての覚え書き

 

 

今週のお題「急に休みになったら」

 

 

急に休みになったら、

きっと仏教神話やインド神話について1日中調べて遊んでいると思う。

 

 

月の初めに、羅刹女クンティーについて記事を書いた。

クンティーは、妙法蓮華経の守護神としてクベーラやハーリーティーと共に名を連ねるラークシャサ族の女神だった。

 

underground.hatenadiary.jp

 

 

 

今日は羅刹女ヒディンビーについて。

 

 

 

ビーマと、ラークシャサ、その戦いを見守る美しい女性。 愛情あふれる目でビーマを見つめる女性にクンティーが話しかけた。 「あなたは誰? この恐ろしい森に不釣り合いな若さと美しさ。 この荒々しい森を守る女神様? それともアプサラ(天女)? なぜこの恐ろしい戦いを見ているの?」 ヒディンビーは深刻な雰囲気で頭を下げた。 「黒い雨雲のようなこの深い森は私の兄と私が住む場所です。今あなたの息子と戦っているラークシャサが私の兄です」

note.com

 

バトルとラブコメ。さながらアニメのような展開。

 

 

ビームは羅刹王ヒディンブの娘ヒンディンビーと結婚している。ヒマーチャル・プラデーシュ州ではヒディンビーは女神として信仰されており、先住民族の信仰と何らかの関係があったのではないかと思われる。

filmsaagar.com

 

ラークシャサ(羅刹)神族はアスラ(阿修羅)神族と同じように、非アーリア系統の土着の神であり、メインストリームの神ではない。しかし、ワイルドサイドに立つ亜流こそ実力を持っていると思われる。

 

薬師仏真言(薬師仏は最澄大師が注力した尊格だった)や持国天陀羅尼(陀羅尼品第二十六)を支えるマータンギー女神はおぞましい外見を身にまとい、強力な賞罰があるとして畏怖されるとともに、穢れを嫌わない性格から幅広く崇敬されている。

 

youtu.be

 

 

思えば、法華経に登場する地湧の菩薩群も、「旃陀羅が子」を自負された日蓮大聖人も、社会的周縁から中央に向けてアプローチする存在だった。

 

いつの時代であれ、不法(アダルマ)が蔓延る時、人々の心の叫ぶ声に天が相応し、義を取り戻すために力が注がれる。それは辺境から始まる。