7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

恵方

 

 

経年して陳腐化の末に廃れる者。

苔むして趣きを蓄え長く残る者。

 

 

どこに分かれ道があったのだろう?

 

 

豆で追い払われる鬼。

伎楽や供物を以て勧請される鬼。

 

 

何が違うのだろう?

 

 

 

自分に問う。

お前は確かに愚鈍だ。

だが、愚鈍であっても、

繁栄する者もいる。

さて、お前はどうなのか。

 

 

眩しさに挫けずに

光を求め続けることができるか?

かたわらに座し続けて

かしずくことができるか?

 

 

アーナンダは

常に世尊のかたわらにかしずき

多聞第一であった。

しかし、

世尊のご在世中に

開悟することはなかった。

第一結集の直前まで

「愚鈍」のままだった。

しかし、恥を忍辱し続けて

弟子として修行を続けたことで

後世に膨大なる恩恵を及ぼした。

 

 

仏弟子でアーナンダの名を知らない者はいない。

 

 

お前はどうだ。

お前は過ちが多い。

だが、それでも挫けずに

光のほうへと

向かい続けることができるか?

眩しさに耐えることができるか?

 

 

 

己の地獄に飲み込まれれば

豆で追い払われる道を辿る。

 

己の内なる光を

(たとえ今は見えずとも)

求め続ければ

やがて

世間の必要に応えることができる。

 

 

分かれ道

右も左も

知らねども

恵みのほうへ

歩み続ける