逆境も 嫌悪も難も 覆す すべてを活かす いでびいでびん
それは拍動音に似て、また、列車が行く音にも似ているー。
江戸期の巨匠・北斎は「あだんだい…」と陀羅尼を常に唱えていたと伝えられる。キリスト教にも「タリタ・クーム」など、あえて古に発せられた言葉の音をそのまま伝える神秘的な箇所がある。クルアーンにも「 アリフ・ラーム・ミーム」という言葉が意味を伏せられたまま登場する。
古今東西いずこにもダーラニーは存在する。神秘的な響きによって衆生を魅了し引導する言葉。それはごく少数の選ばれた人のみが意味を知っている会員制の言語ではない。すべての人に対して甘美な秘密であり、麗しい幻影である。その事実に於いて、誰もが平等になりうる言葉の神秘の果実である。
イデビ 是(こ)れに於てという意で、「是れ」とは凡夫の意味です。
イデビン 斯(ここ)に於ての意で、「斯」とは婆婆世界の意味です。
総持は諸佛於此、此岸に浄土を見るための叡智。
私をあなたの心臓の上に、印章のようにつけて下さい、 印章のようにあなたの腕に。 愛は、死のように強く、 情熱は、冥府のように苛酷なのです。 その炎は、燃えあがる炎、強烈な炎。 大水も愛を消し去ることはできない。 大河もそれを流し去ることはできない。 もしも誰かが愛を得ようとして 自分の家の全財産を差し出すなら、 きっと軽蔑されるだけでしょう。
総持の本質は愛。愛にニ種あり。一に注ぎ施す愛(大慈)、二に取り除く愛(大悲)。神呪においてはこれら不ニにして自在である。