7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

生活の裾

 

 

 

言の葉で覗いてみたい隠れてるあなたの白い肌の奥底

 

 

手を伸ばせば届く距離で話をしている。でも実際には手を伸ばさない。心地良い声が放たれるその唇に触れてみたい。繊細そうなその白い肌に頬擦りをしてみたい。ほんのりと匂うその芳しい香りに包まれたなら、どんなに幸せだろう。でもそれは叶わない。だから私はあなたがくれた言の葉を、いつまでも大切に覚えておこうと思う。これは他の誰にも奪えない、あなたと私だけのものだから。

 

歌は、実際には交わることがない人と人を結びつけてくれる。たとえば、生きている時代が違う人の景色をそっと覗くことができる。それはいにしえの人が、生活の裾をそっとたくし上げて見せておいてくれたから。歌も、あるいはほかのあらゆる芸術も、創作者と鑑賞者による、信頼関係のもとに成り立つ共同作業なのだ。

 

 

 

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