むなしきに まかせていくさ おいもとめ ちわきにくまう しゅらとなりぬる
「異修羅」第一話が鳥肌モノだった。冒頭からフルスロットルでダークな展開。サムライチャンプルーを彷彿とさせるキャラクターが出てきて興奮した。沼にハマりそう。
修羅というモチーフも世相に合っている。修羅はインド神話のアスラ神族のこと。アスラ王が正義の名のもとにインドラ(帝釈天)に戦争を仕掛けるも敗北。何度も蘇り永遠に戦い続けることから「阿修羅の如し」という人間界よりも低層の好戦的で独善的な存在に堕することになった。
四月の気層のひかりの底を
唾きし
はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
大義に酔い、権威に嫉妬し、自分の都合で曲がったものもまっすぐだと言い、独善の檻の中に自分を閉じこめる。修羅は誰の心にもいる。賢治はその事実と対峙することで透明度を増していったのだろうか。