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生活は一に信なり信あらば道おのずから開けゆくべし
窪田空穂
今年もアドベントのシーズンに入った。街ではクリスマスツリーや電飾が煌めいている。
あれはいつだっただろうか、もう何年も前のこと。当時の知り合いが通う教会で礼拝を共に受けたことがあった。素朴な造りの教会で、いい香りが漂っていた。礼拝の中で、「証」という体験談を共有するような時間帯があって、そこで聞いた話は今でもよく覚えている。
ひどい複雑骨折をしたご高齢の女性の話だった。医師から入院が長引くと言われていた。自分は讃美の奉仕をしていて、自分の代わりになる人もまた病気がちだった。讃美を守りたい、何とかして礼拝を守りたい、礼拝に参加するみんなのために、どうか早く治してください、私を用いてください、と必死に祈ったところ、予定よりもずいぶん早く骨折が治り、医師も教会員も彼女自身も大いにたまげた。そして、今日が退院後はじめての礼拝です、とのことだった。
鳥肌が立った。彼女が嘘を言っているようにはとても見えなかったから。
「奇跡」というのは、自分をほんたうの意味で献げた時には、確かに起こるものなんだなと感動したのをよく覚えている。
"I will bow my life
at Your feet
at Your feet"