7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

選ばなかった人生について

 


もしあの時 あなたに何か 言えてたら 足りない記憶 歌い弔う

 

 

「選ばなかった人生について考えることがある。選べなかった、選ばなかった自分を歌にしていくと、誰かとつながれるかもしれない。そこに創作の意味がある。

 

 

人生は思うようにいかない。「あの時こうしていたらきっと、こんな素敵な世界線が待っていたことだろう」と思う分岐点は数えきれないほどある。実現しなかった無数の「あの時」が、とっさに言葉を紡げなかった悔しさが、いまの私を歌詠みに繋ぎ留めているのかもしれない。

 

この頃は後悔も悪いものではないと思うようになってきた。悲しみの華から生まれる文化もあるんじゃないか。「人生であと何度後悔できるだろう」過ぎ去りし日に馴染んだ焼酎のCMの謳い文句がしみじみと胸に沁みる。

 

 

 

 

 

 

 

5年前の昨日、公開されたばかりのPVを見ていた。アルバムも買った。次のライブには絶対参戦しようと思っていた。その矢先、活動休止してしまった。もっと早く出会いたかったという後悔が、この曲を今でもビビットにしているのかもしれない。不完全燃焼で終わったがゆえに、未だ散ることのない青春の象徴。きのこ帝国で「夢みる頃を過ぎても」。