型あれば
こそ栄えたる
短歌かな
縛りがむしろ
可動域増す
短歌も五七五七七の三十一音の不変の型があったからこそ、千三百年余もつづいてきたと言えるでしょう。
型、伝統、縛り。
目先のことだけ考えれば厄介な存在だけど、本質的にはとても大切なものだ。
縛りが多い事柄であればあるほど、脳が汗をかき、打つ手の効率を吟味して、各方面への影響を目をぐるぐるさせながら考慮して、より多くの手が打てるよう馬力を最大出力にする。縛りはひとを成長させる。試行錯誤の場を与えてくれる。縛りとの取っ組み合いが熱を生じさせ、私を夢中にさせてくれる。
少なくとも私は、いまもこの足に絡みまとわりついている縛りに、日々悩乱させられつつ、同時に感謝もしている。