7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

予告なく

 

 

予告なくおそひ来し虚無書架のかげゆきもどりしつつひと日苦しむ

 

木俣修『愛染無限』

 

 

 

 

せわしなく平日を過ごし、土曜も炊事洗濯にせわしなく、日曜ゆっくりしてみれば、ふと残暑の中から手を延ばす虚無感に追いかけ回されて、ついぞ落ち着く暇がない。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」(ルカ9:58)という聖書の一節が脳裏をかすめる。なるほど、これも古来変わることのない生活の風味と味わうべきなのか。