白鳥は
かなしからずや
空の青
海のあをにも
染まずただよふ
白鳥ではないが、空を舞う鳥を見上げて
この歌を思い出し、刹那の切なさに浸った。
そう、刹那の…。
忙しく過ぎる日々の中で、
喜怒哀楽すら一瞬でこの掌からこぼれ落ちてしまう。
それは、年の功として喜ぶべきなのか、
はたまた、若さの喪失として悼むべきことなのか、
ゆっくり思案に耽る時間すら近頃は確保できていない。
雷雨が来たと思ったら、砂漠のような灼熱の太陽に照らされる、
まるでこの頃の異常気象のようなせわしなさ。
しかし、なぜだろう。
自宅警備体制から解き放たれ、
キャパオーバーを更新する毎日で
体にずっしりとのしかかる疲労感の中には
幸福感も少なからず含まれているのだ。
この歌をモチーフにした短編アニメもあるようで。
いいものは世代を超えて愛されますな。