7オンスの庭

文化あふるる言の葉の庭

義農の世

 

 

力をも

入れずにこの世の

楽土見る

鍵はわずかに

七字五字一字

 

 

蓮門ではこの世の楽土を「義農の世」と説かれている。

 

萬民一同に南無妙法蓮華経と唱え奉らば、吹く風枝を鳴らさず、雨土塊を砕かず、代は義農の世となりて、今生には不詳の災難を払い、長生の術を得、人法共に不老不死の理顕れん時をご覧ぜよ。現世安穏の証文、疑いある可らざるものなり。

平成29年7月2日 寺務日誌 | 日蓮宗 松戸 本覚寺

 

 

「義農の世」とは、伏義と神農という聖皇が治めた時代のことで、理想の世界の象徴。理想の成就を異世界に求めがちだが、私たちが生きているこの現世にこそ楽園の到来を見ようとする。

 

神慈秀明会崇教真光、真光文明教団などの源流となった観音教団の岡田茂吉氏も、同じく現世での幸福実現を追い求めた。そして、遺稿でこの「義農の世」に言及している。

 

 

Paradise

is here とは

切迫の

渇仰者たちの

永遠のロマン

 

 

力をも入れずして、覚えきれないほどの長さにわたる陀羅尼ではなく、わずかに7字または5字または1字の、不思議なことばでこの世の楽土への扉が開く。すなわち、帰依と経題と妙。

 

これは多くの求道者や詩人が希求するところの「言葉のレバレッジ」。小さな力で大きなものを動かすことができる、言葉が持つ不思議なチカラの世界。