手は熱く足はなゆれど
われはこれ塔を建つるもの
滑り来し時間の軸の
をちこちに美(は)ゆくも成りて
燎々(りょうりょう)と暗をてらせる
その塔のすがたかしこし
賢治が称える「塔」とは。何年か前の晩秋にも、この一篇を口ずさみながらこの「塔」について思いを巡らせていた。先の見えない嵐の中を、見えないなりに目を擦り付けながら、不確かな歩みをよろめきながら目を曇らしながら濡らしながらみすぼらしくも進めてゆく。そういう生き方を世界に献ずる。あえて完成された10にならず、不完全な9に留まる。そういう美学なのではないか。
どうか今の生活を大切にお護り下さい。 上のそらでなしに、しっかり落ちついて、一時の感激や興奮を避け、 楽しめるものは楽しみ、 苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きませう。
Wikipedia 経埋ムベキ山 より
バラナシが聖都ケートゥマティーを内蔵しているように、岩手も聖地イーハトーブを秘蔵している。
異世界や他の星々からの来訪者は、SFでは往々にして侵略者だけど、実際のところは、教えを請いに来る無垢なる求道者なのかもしれない。
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